Q: 古い家なので建て替えるかリフォームして住むか迷っています。
金額の面や、住み心地などについて、どちらがどうなのかメリット・デメリットを知りたいです。
建て替えとリフォーム、どっちがいい?
古い家を直して住むか、新しく建て替えるかは、家の状態や家族の状況によって違ってきます。
これは簡単なことではなく、住まいが老朽化してくるととても判断に迷う問題です。
・住む人数が増えて手狭になった
・人数が減って多くの部屋が空いてしまった
・二世帯で住もうと思う
・高齢なので2階はいらない…
と、年月が経ち状況が変わってくると考え始めるものです。
判断基準
一つの判断基準としてあげますと、現在の住まいが建築された年代です。
昭和56年(1981年)6月1日に建築基準法が改正され新しい耐震基準になりました。
というわけで、この日以前に確認申請を受けた建物は旧耐震基準となり、震度7クラスの巨大地震に襲われた場合、
倒壊する可能性が高くなります。
それ以降の1981年から2000年に建てられた住宅についても厳密には現行の基準を満たしていません。
2000年より前の建物なら耐震診断を受けるなどし、判断した方がいいでしょう。
長く住み続ける住まいが、耐震的に不安がないかは重要だと思います。
また、解体して新しい家が建てられる地域なのかどうかも調べておく必要があります。
判断ポイント
既存の家か建て替えかを判断するポイントとしては、
建物の築年数
40年以上なら建て替え、30年~40年くらいは前述の通りで耐震診断して判断するといいでしょう。
白蟻の被害など建物が傷んでいないかは重要です。
耐震の問題がなく雨漏りなどもしていない、白蟻の被害もなく、建物の骨組みや床もまだしっかりしている、
という場合はリフォームでもいいのでは?と思います。
予算
建て替えるとなると、2000万円くらいを目安にお考えください。
ただ、建て替えてしまえば、性能のいい家になりますのでその後のメンテナンスや修繕費は当分の間減らすことができます。
リフォームを何度も繰り返していくうちに建て替え費用を上回ってしまったなんてこともあるくらいです。
必要な改修が建て替えの費用を上回るようなら建て替えも視野に入れた方がいいかもしれませんね。
リフォームの場合は、直す範囲によりかかる金額が変わります。
最低限なリフォームでも大規模なリフォームでも比較的自由な予算の範囲で検討することができます。
工法
木造であっても2×4という工法は、壁で支えているため、むやみやたらと壁を動かせないので間取りの変更ができません。
建て替えるか、間取りはそのままで内部だけリフォームするかのどちらかになります。
家族構成
先々引き継ぐ人はいますか?二世帯にするなどの予定はありますか?
未定なら建て替えずに直した方がいいでしょう。
例えば、年老いて身体的に支障がでてきた場合、
・就寝、食事、入浴、排便といった基本的な生活が1階(同一階)だけで可能か
・部屋間の移動で床の段差は支障ないか
・部屋間に生じる激しい温度差は身体への負担にならないか
等々のことを考えておかなければなりません。
上記のことを考えると高齢者にはワンフロアーでの生活が理想ですね。
バリアフリーということを考えた場合には、建て替えた方が段差が一つもなく通路幅などもゆとりを持って計画できますので検討の余地があります。
高齢者には、階段の上り下りが大変!ということだけでなく、段差が余計な事故やケガの元になるというリスクもあります。
高齢者の骨折はその後の生活に影響が出てきますので注意が必要です。
検討時期
検討には時期の問題もあります。
時期がずれれば状況が変わるということであれば、建物の築年数・耐久性なども考慮しながら先延ばししてみるのも
ひとつの手だと思います。
ローンを組む予定なら早い方がいいかもしれません、
また、介護が必要になると思われるなら前述しましたがバリアフリーの家に建て替えることができます。
ただしこちらも前述しましたが、引き継ぐ人がいない場合(高齢者だけの場合)は建て替えではない方がいいでしょう。
単純に、新しい家に住みたいとか、逆に思い出が詰まっている家だから壊したくないという、純粋に気持ちの問題も
あるものですよね。
家族の中でどうしたいか意見が揃っているなら迷うことはないかもしれませんが、意見が割れているようなら、方向性が揃うまで話し合いを重ねましょう。
リフォームしようと考えた場合は、どうしても表面的な部分にとらわれてしまいます。
表面の防水性や美観も大切ですが、見えない骨組みが将来にわたって安全に住まいを支えられるか担保することが、
まず何よりも優先すべきことでしょう。
とにかくまずは、建て替えが可能かどうか、既存の家が住み続けられる家かどうか、迷う以前の問題を確認してみることが先決ですね。
そして次に(いえ、最初かもしれませんが)悩む項目はお金のことでしょう。
建て替えとリフォームでは金額はどうなの?
普通に考えたら、建て替える方が金額はかかります。
前述の通り、新しく家を建てるのですからざっくりとですが2000万円~という感じでしょうか。
リフォームは工事内容により異なりますので金額の幅が広いです。
予算によりますが、大きなリフォームをすると1000万円以上ということにもなります。
考え方によると思いますが、そんなに出すのならもう少しなんとかして建て替えた方がいいのではないか…
という方向に行くかもしれません。実際に、建て替えた方がすべてが新品で快適ですし間取りも思い通りにできます。
または反対に、少しでも節約して残しておきたいとなるかもしれません。
古い家といってもどこを直すのか、直す部分によって違ってきますし、これまでに水回りなどを直してきた家かどうか、
外装工事を定期的にやってきたかどうか等、どのくらいメンテナンスしてきた家なのかによっても違ってきます。
家の状態が違うので一概には言えないものです。
迷っているなら相談、アドバイスなど親身になってくれる会社へ相談してみるといいでしょう。
当社はご相談は無料です。お気軽にお問合せくださいね!
建て替えとリフォームのメリット・デメリット
建て替えとリフォームのそれぞれのメリット、デメリットを今一度整理してみましょう。
建て替えのメリット
・一から自由に設計できるので思い通りの家ができる
・すべてが新しい家に住むことができる
・高齢になることを考えバリアフリーにするなら建て替えがやりやすい
建て替えのデメリット
・費用がかかる。建築の費用の他、解体の費用もかかる
・同じ場所に建て替えるので、工事中の仮住まいが必要になる
・高齢者の場合、間取りがガラッと変わるとそれをきっかけに体調の変化や病気になる可能性があるかもしれない
リフォームのメリット
・建て替えるより金額が抑えられる
・これまでと同じように住むことができる
・工期も建て替えるより短くすむ
・間取りを変更するような大きなリフォームもお金をかければできる
リフォームのデメリット
・大きなリフォームの場合、長い期間人の出入りがあり落ち着かない
・気密性や断熱性、また耐震的にもリフォームでやろうとするとなかなか難しく、大きな費用がかかる
・部分的に直しても、手を付けない部分は古いまま
<リフォームとリノベーションの違いって?>
以前からよく聞くリフォームというのは和製英語で、これを英語にするとリノベーションとなるようで、
このふたつに明確な違いはないようです。
しかし世間一般的には、リノベーションは骨組みだけ残したような全体的な改修、間取りを変更するような
大規模な工事というニュアンスに受け取られます。
そしてリフォームはどちらかというと元通りに直す、部分的な改修、というように受け取られているようです。
最近は、中古の物件を購入してリノベーションするということが流行っているようです。
カフェ風にしたり、古民家風な趣のあるものにしたりと、内装にこだわって作り込んでいますね。
自分で思い通りのものにDIYする人が増えているようです。
自分の住む家に愛着を持って素敵なことですね。
まとめ
建て替えかリフォームか迷うことと思いますが、それぞれのメリット、デメリットをよく知って、
金額や時期も含めた上で検討されてみてくださいね。
それでもなかなか決められない場合があると思いますので、そういう時はどうぞお気軽にご相談ください。
お待ちしています!