新築はどこで建てる?
住宅雑誌、広告、インターネットと情報を得る媒体はいろいろありますが、自分の好みのタイプを手っ取り早く探すには、やはりインターネットになるでしょう。
最近ではインスタグラムでハッシュタグをつけて好みの画像を見つける人が多いようですね。
依頼先を大きく分けると、ハウスメーカー・工務店・建築家の3つとなります。
それぞれ特徴がありますのでそれらについてお話しします。
ハウスメーカー
ハウスメーカーは、構成部材を工場でつくり、熟練の職人さんでなくても建てられるように、極力現場での作業を減らし無駄を省きます。
したがって、現場途中でイメージが違ったからと容易に変更できません。
ある程度用意された中から選んで組み立てるというシステムですから後で変更のないように、展示場で実際のものを見せて決めてもらうわけです。
さほどこだわりが強くなく、打ち合わせに費やす時間が無い方に向いていると思います。
工務店
工務店は、基本的にどんな作風のものでもつくることができます。
最近は得意分野を押し出して、決まった作風でしか建てない業者も多くなりました。
木造在来工法で建てるのが一般的ですから全国で最も普及しており、それだけ業者の数も多く自由度も高いわけです。
それだけ選ぶのも難しくなりますが、できるだけ建築地に近い業者に依頼された方が良いでしょう。
何かトラブルがあった時でもすぐ対応できますし、近い分ガソリン代が安く済むので経費がかからず工事費も安くなります。
あとは、ノルマに追われた営業マンがやっている わけではありませんから、担当者がいなくなるという心配もないですね。
ただ、派手に宣伝広告したりはしないでしょうから 知るキッカケがないですよね。
地元を見廻すと工務店てけっこうあると思います。
今度、気にかけてみてくださいね。
建築家
建築家は、設計して図面を描き工事監理をする人で、家を実際につくることはしませんが、とにかく細部までこだわってじっくり時間をかけて建てたいという方に向いています。
人によっては作風が凝り固まっていることがあり長い時間をかけておつきあいすることから、お互いの相性が合わないと難しい側面があります。
こんな感じでしょうか。
まずは、家に対するこだわりの度合いがこの3者を選ぶ基準になりそうですね。
新築は工務店かハウスメーカーか?
前述の3つの中で家づくりの依頼先として身近なのは工務店かハウスメーカーではないでしょうか。
そのひとつである工務店ですが、そんな工務店にもいろんな形態があります。
それこそ大工さん一人でやっている工務店があれば、展示場をもっていて営業マンが何人もいる工務店もあります。
業態としては、
・ハウスメーカーや大きな建設会社の下請けを専門にやる業者
・設計事務所が設計したものを施工だけ専門に請け負う業者
・お施主様から設計と施工を請け負う業者
・リフォームを専門的に請け負う業者
というように、きっちり専門分野しかやらない業者もありますが、一般的には新築もやるし、リフォームもやる、手が空いたら同業者の下請けをやったり、設計事務所の仕事もやるというようにどんなこともできます。
まぁそれぞれ得意分野はありますが… 町内を見渡せば5、6件はあると思いますが、物販のお店と違って普段かかわることはないですよね。
宣伝広告を派手にやっているわけでもないでしょうから、どの業者がどんな仕事をしているか、よくわからないと思います。
単に知る術がなく選択肢になかった、ということもありそうですね。
そうなると、どうしても名前を知っていたり、コマーシャルで見かけたことのあるハウスメーカーにした方がいいということになるでしょう。
知っているだけで安心と思えますからね。
ただ、広告宣伝費にかかるお金はどこから出るでしょうか…
そんなことも考えた時、ぜひ工務店も検討してみてください。
見知らぬ工務店に飛び込んでいくのはなかなかの勇気がいることでしょうが、そんなときはホームページを見てみてください。
ネットで探しものをしていると、画像ばかり見てなかなか文章は読まないと思いますが、工務店探しでは文字もしっかり読んでくださいね。
その会社の思いなりが伝わってくると思います。
新築を工務店に依頼しようとした場合の選び方のポイント
当社は工務店ですので、ここでは工務店にしぼってお話ししていきますね。
最初に相談を持ち掛ける時
業者を選ぶとき、坪単価を聞いただけで判断してしまうと正しい比較はできません。
それでは、最初に相談をもちかける時どうしたら良いか?
前もって自分好みの家づくりをしている業者を何社か探します。
さらにその中で、同じような工法で建てているところを数社に絞ります。
建築では、表面に見えないところ(仕上げにとりかかる前段階の工事)にかかる費用がけっこう大きなウェイトを占めます。
同じような工法に絞ることで、この見えない部分については大差なくなり、より正しい比較ができると思います。
同じ木造でもいろんな工法があり、耐震的にどんな構造にするのか、断熱性はどんな材料を使って、外張りなのか充填なのかと各社それぞれの考え方をもってやっていることで、これらを正しく比較することは困難です。
例えば、木造在来工法でも断熱の仕方で費用が違います。
充填断熱か外張り断熱か、さらに断熱材そのものの素材によっても費用が違います。
木造の場合は、充填か外張りであるかは断熱性能的にさほど気にすることではありません。
むしろ壁内結露対策がしっかりされているか重視すべきでしょう。
できれば、その業者さんにその断熱材を採用している理由と、その断熱工法の欠点を聞いてみてください。
それに対して明確に答えてくれるかが重要です。
数社候補が決まったら
依頼先を決めるのに、親戚関係や紹介でもない限り、初めから1社に決めて契約するのも珍しくはないのですが、大概何社かに見積りを依頼して、その中で比較検討することとなると思います。
見積りの依頼先はせいぜい3~4社といったところでしょうか。
少しでも安ければと、5社6社と数が増えれば要望を伝えるだけでも、その数だけ同じ説明をしなければならず、時間と労力を必要とします。
同じ間取りで比較するならまだしも、各社違う提案の間取りで仕様もそれぞれ違うとなれば、正しい比較のしようがありません。
数社候補が決まったら、初めに建物にかけられる予算をざっくばらんに伝えてしまいます。
そして希望の部屋数や採り入れたい設備などを決めて、プランを練ってもらいましょう。
初めての提案図面で「決まり」ということはないでしょうが多少手直しをして、これをもとに見積りしてもらいます。
予算がわからないまま要望をどんどん取り入れて進めたら、見積りが予算オーバーなんてことになり、また一からやり直しで時間の無駄になってしまいます。
そして次の項目ごとに比較採点してみてください。
・プラン
・デザイン
・仕様と金額(コストパフォーマンス)
・アフターサービス
・保証内容
・そして相性です。
最後に相性を強調しましたが、どんなに内容と技術が優れていようが、担当者の人間性が家づくりを大きく左右します。
契約以後、担当者が変わったりすると引き継ぎも心配ですし、工事が進行していく過程で打ち合わせがありますから、その内容が現場サイドに正確に伝わらなければなりません。
この橋渡しをする人が何人もいたら混乱の原因です。
できれば、契約前から完成引渡しまで同じ担当者が理想ですね。
本来であれば、同じ間取り、同じ仕様で見積もってもらい単純に金額だけで比較できれば良いのですが、気に入った間取りと仕様を決めるまでにかなりの時間を費やさなければなりません。
それを数社とやりとりするには、相当な労力が必要です。
一社に絞り、それから細部をつめていく方が良いのかもしれませんね。
業者によってそれぞれの設計思想がありますから間取りや仕様が異なるのはいわば当然のことです。
その中から自分の要望に最も近い提案をしてくれたところに決めるわけですが、コストパフォーマンス(費用対効果)もしっかりチェックしましょう。
つい内装や豪華な設備に目がいってしまいますが、隠れてしまう部分にもどのような材料が使われているかが大切ですのでしっかりと見極めるようにしてくださいね。
まとめ
ここでは工務店に焦点を当てて書いてみました。
家づくりと言えばハウスメーカーと思うのが一般的でしょうが、工務店はあまり知られていないだけで実はいい面がたくさんあります。
地元の工務店も選択肢の一つとして気にかけてみてくださいね。