介護保険を使った住宅改修で手すり、トイレ、段差解消にはスロープを。

介護が必要な人が自宅で過ごすためには、家の中をリフォームして少しでも過ごしやすくしてあげることが大事です。

病院や介護施設より、慣れ親しんだ自宅で暮らせることは、ご本人にとって精神的にも良く、なにより嬉しいことでしょう。

 

過ごしやすい家にするための住宅改修は、介護保険を使うことで費用を大きく抑えられます。

過ごしやすい家にするために直すとしたら、

・段差をなくす

・手すりをつける

・トイレを使いやすくする

この辺りから検討されるかと思います。

他にも

・すべりにくい床材への変更、

・開き戸から引き戸への建具の取り替え

などありますが、大掛かりなリフォームになる場合もあります。

介護保険を使った住宅改修では20万円を上限として自己負担が通常1割ですので、

大掛かりな改修となると20万を超える部分は自己負担になります。

どこをどうリフォームするのかはよくわからないでしょうから、

ケアマネージャーさんに相談してみると良いでしょう。

 

介護保険の申請には時間がかかりますので、その間に病状の変化などがあれば

必要なくなってしまうこともありますので難しいところです。

改修だけでなく福祉用具のレンタルと併せて検討してみてください。

 

介護保険を使った住宅改修 手すりの取り付け

手すりを取り付けるところと言えば

・エントランス(外部)

・玄関、ホール(家に上がるところ)

・廊下

・トイレ

・浴室

・階段

階段は、踏み外しや落下、転倒などケガの元になりますので

極力使わず、1階で生活できるようにしましょう。

なるべくなら寝室を1階に移動させましょう。

また、動作の必要な場所の取り付けは、手すり1つだけでは足りません。

例えば浴室なら、移動の時に掴む横手すりと浴槽からの立上り時に掴む竪手すりが必要です。

トイレなら、同じく移動時の横手すりと立上り時の竪手すり、そしてもうひとつ、

腰かける時に頼るための補助手すりを便器の脇に設置する必要もあるでしょう。

何が必要かは健康な人にはすぐに思いつかないのでケアマネージャーを頼るといいと思います。

 

ご本人は手すりに摑まる時は自分の体重をかけますので、取り付ける際は下地の補強が必要になります。

その下地の工事も補助金の対象になります。

 

介護保険を使った住宅改修 トイレ

これまで和式を使っていたなら洋式に変更する、トイレにも補助用の手すりを付けるなどの

リフォームが必要になります。

また、トイレのスペースを広くして、介助がしやすいようにしたり、

車いすでも入れるような大きく開く建具にしたりと、トイレ全体の改修を考える必要も出てきます。

介助の為に広さを確保することを検討する段階に来ている場合は、近いうちに

寝室にポータブルトイレを置く必要が出てきたり、おむつの使用が必要になるなど、

様子が変化していくので、お金をかけて広げることがベストなのか悩むところです。

ただトイレは自分で済ませたい人が多く、気持ちの面でもよく考えてあげたい部分です。

トイレまでの距離が長い場合、介助の人が連れて行くのにも時間がかかり間に合わないことがあり得ますので、

なるべく失敗させないような工夫をしてあげてください。

 

 

介護保険を使った住宅改修 段差の解消にはスロープを

高齢になると床の少しの段差でつまづくことがあります。

本人は普通に歩いているつもりでも、あまり足が上がっていないために

ちょっとした段差でもつまずいてしまうのです。

また、カーペットやラグなどが敷いてあると、そのくらいのものでも引っかかることがありますので

注意しなければなりません。

転んだ時、とっさに手が出ないこともあるため大ケガの元になります。

そのようなものは全て前もって無くしておく方がいいでしょう。

 

少しの段差に据え付けるすりつけ板でつまづくことが少なくなります。

 

玄関から外へは室内よりもっと大きな段差になりますのでスロープが必要になります。

スロープは緩やかな勾配にしなければなりませんので、エントランスにスペースがない場合は、

掃き出し窓のある部屋など、別の場所からの出入り、車への乗り降りを検討する必要があります。

また、スロープを取り付けるには下りきったところが道路に向かわないように配慮しましょう。

介助者がいない場合など、加速して下りた場合に道に飛び出してしまうと事故につながる可能性があり大変危険です。

 

スロープのスペースが確保できない場合、昇降機設置なども検討の範囲になります。

 

その他

開き戸を引き戸にする

車いすの場合には開き戸が不便になります。開く時に1歩下がることは車いすでは厄介な動作になります。

車いすでなくても、1歩下がる動作はなければない方が楽でしょう。

引き戸ならその場で開けられますので、引き戸に変更すると使いやすくなります。

また、開き戸のノブは手が不自由な場合は回しにくいので、扱いやすいレバーに取り替えることをおすすめします。

 

滑りにくい床材にする

床が滑りにくい材質に変えることもケガ防止のために大事でしょう。

フローリングは靴下を履いていると滑って転倒する危険性もあります。

畳は滑りやすいことと、もし車いすになった場合動かしづらいので変えた方がいいかもしれません。

コルクは転んでもクッション性があるので検討してみてはいかがでしょうか。

 

浴室などの水で濡れた場所も滑って転びやすい場所ですので、素材選びは気を付けた方がいいでしょう。

 

階段は全ての段に滑り止めがあった方がいいですが、事故の可能性をなくすために、

できれば1階だけで生活できるようにした方がいいですね。

 

使いやすい部屋にするため不要なドアを取る

何もなければ、つまづくこともなく、開け閉めする必要もないので、

何のリスクもなく過ごせます。

間取りなどから取り外せそうなところは検討してみてもいいかもしれません。

 

 

介護保険の住宅改修工事

要介護に認定されたら、介護保険を使っての住宅改修ができます。

住宅改修が必要になった時、家族は何をどうしたらいいのか全く分からないものです。

まずケアマネージャーに相談しましょう。

プロに聞くのが手っ取り早いです。

申請には書類や見積もりなど準備するものがいろいろありますし、細かくて難しくわからないこともあるでしょうから、

まずはケアマネージャーさんとお話ししてください。

 

念のためですが、申請が通ってからの工事でないと補助金は出ません。

後から申請すればいいと思い、先走って着手してしまったら自己負担になってしまいます。

また、介護認定されていないと対象にはなりませんのでご注意ください。

 

他にも固定されていないもの、動かすことができるものは改修工事にはなりません。

 

お住まいの地域により独自の補助金制度がある可能性もありますので事前にお調べすることをおすすめします。

 

まとめ

家族が介護が必要になった時、少しでも生活しやすいように室内をリフォームすることは

本人だけでなく、まわりの家族も負担が減ります。

介護保険を使った住宅改修を検討する場合はケアマネージャーさんに相談しながら、

ご本人が自宅で過ごせるような環境を作ってあげて、自らできることを増やし自信を持ってもらうことで、

ご本人とご家族がお互いに良い関係を保てていけたらいいのではないでしょうか。