建築では、工事に取り掛かる前に縦、横、高さのそれぞれの方向の基準点を定めます。
縦、横の基準となる線を「通り芯」(柱や壁の中心を示す線の意味)、高さの基準となる線を「GL」といいます。(GLはGround Lineの略で地盤面の意味)
この基準となる点や線を現場に印す作業を「水盛遣り方」といいます。
建築現場で基礎工事にかかる前に、木杭を立てて横に板を打ち付けている光景を見かけたことはありませんか?これがそうなんです。
横の板は水準器を用いて水平に打ち付けてあります。これが高さの基準です。
設計上、特に支障がなければ現況地盤の平均的な高さをGLに設定します。
これをむやみに高くしたり低くすると、土を余計に掘ったり入れたりすることになりコストアップの原因になります。
そして、水平に打った板に先ほどの縦、横の基準となる「通り芯」をだします。
通り芯の片方の軸には、い・ろ・は・・・と符号をつけ、それに直交する軸には一・二・三・・・と番号をふります。
これを「番付け」といいます。
これにより家の基準となる最初の点が「いの一番」となります。この言葉、日常で使うことありますよね。
「事の初め」とか「最初」の意味で、このことが語源になっていると言われています。
一般的に木造建築では、基本的な桝目の単位(1帖の短辺の長さ)が3尺で、3尺は概ね910mmとなっています。
因みに寸法を読むときは、全てmm単位で表します。
1mは1,000と読み、50cmは500と読みます。
大工さんは今でも尺や寸を用いることが多いのですが、あくまでも共通の基準はmm単位です。