部屋を仕切ったところに開閉するため設ける建具。
開き方としては主に 開く、引く、折るという3タイプがあります。
どのように使い分けをするかというと…
開く形状は、主に個室に用いられます。
音漏れや光漏れを防ぐといったプライバシーを守る観点から開く方法が最も優れます。
出入口前後の開閉スペースを大きく必要とすることが難点です。
引く形状は、バリアフリーの観点から最も使い勝手が良く普段開けっ放しにすることが多い場所にも適しています。
気密性にはやや難点があり、扉の左右に引き込むスペースを必要とします。
折る形状は、前後の開閉スペースが大きく取れない場合に用いるもので、最もコンパクトに開閉することができます。
難点としては、折りたたまれた扉自体が開口幅を狭めてしまうため大きな開口が取れない場合は採用できません。
また扉の構造上、使用頻度が激しい場所では故障しやすいため避けた方がいいでしょう。
最近の住宅は気密性が向上したことで、部屋どうし極力仕切らない傾向にあり、開けっ放しにできる引き戸を多用しています。
また、部屋を広く使ったり小さく仕切ったり容易にできる点でも引き戸は良いですね。
古くからある日本家屋は、その時の用途によって広くしたり区切ったりできる障子やフスマを多用してきました。
狭いながらも部屋を有効に使うことができる「引く」文化は日本人ならではの知恵と言えるでしょう。