建築豆知識

長期優良住宅

この制度の本質について掘り下げてみましょう。

この制度の狙いはわかりやすく言うと、住宅に鑑定書と履歴書を与えるようなもの。
今まで判りにくかった住宅の性能を、国の基準に照らして表示させると共に、
車でいう整備手帳のようなものを将来に渡って保存していく仕組みです。
それによって建物を長持ちさせて中古物件となっても高い評価が得られるというものです。

何十年後に住宅を売りに出すとしましょう。この認定を受けたから
当然売主は付加価値がついているとして相場より高く売りたい。
がしかし、値段はあくまでも買主が家全体を見て決めること。
一つの判断材料になるのは間違いないのですが、中古市場にどこまで浸透しているかによりますし、
上乗せ額が保証されるものではありません。

それともう一点。
耐久性を判断する基準で、柱など構造部分に使用する樹種は指定されていますが、
その木が無垢材か集成材かの決まりはありません。
ヒノキを使えば間違いないと考えるのはちょっと怪しいでしょう。無垢の木の寿命は
よく樹齢と同じくらいといわれています。一般に市場に出まわっている無垢材は
樹齢なんてわかりません。だから「この家は無垢のヒノキを使っているから
100年は持ちますよ」なんて軽くは言えません。まして現在の接着集成材となると
人工的につくられたものだし、歴史的にもそう古いものではないので、100年200年
持つなんて誰にも保証できないはずです。

というわけで、国のつくった制度を守ってつくった家だから安心長持ちとは限りません。
制度をつくる上で、いろんな企業や学者の意見を取り入れているわけで、
不都合な真実もあるかもしれません。

本当の長寿命住宅は国の基準さえ満たせばできるものではなく、
それこそ柱一本から仕上げに至る一つ一つの材料までよ~く吟味しないと、
真の長寿命住宅と呼べないと思っているのです。
ですから、自信を持ってお奨めできる長寿命住宅を建てるとなれば
それ相応の金額になるのは当然と考えます。

工業化製品を多用するのも疑問です。何百年も前の木造建築が
今もなお存在しているのは、それなりの理由があります。
自然がつくりだした素材を厳選して、匠が技を駆使し、何代にも渡り
愛情を込めて手入れされてきた証です。

本当に良い家とは、個人の価値観にもよりますが書類で評価できるものでは
ないと思います。

この制度を利用するかしないかはあくまでも建て主さんの判断です。
認定を受ける手続きだけでも何十万と費用がかかります。
その点をご理解の上ご判断ください。

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